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舞台鑑賞と日常のおぼえがき


by unekocan

「かもめ食堂」

小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ主演の「やっぱり猫が好き」亡くなった父が好きだったのです。最近、本と映画については父の影響を受けていると思うことが多いです。

開演時間ぎりぎりにシネスイッチ銀座に着いたら「立ち見」と言われました。事前に映画館のサイトで調べたときには平日は普通に座れる、という表示だったのに。
でも!きっと一席くらいは空いているに違いない、という妙な確信の下に映画館に入る。そうしたら、空いていたんですね~本当に。うふっ♪

公式サイトです。


ヘルシンキで「かもめ食堂」を営む(といっても映画冒頭で開店から1ヶ月、その間お客は0)サチエ(小林聡美)が、日本オタクの若者にあるアニメの主題歌を教えて欲しいと頼まれる。私は高校1年生のとき、クラスメートに「魔女ッ子メグちゃん」の主題歌を全部教えて欲しいと頼まれたことがありました。それは彼がオタクだったからではなく、部活の新人歓迎会で歌うためだったのですが。

サチエがなぜフィンランドで店を始めることになったのか、お金はどうしたのか、などは全く語られず、センスの良い北欧インテリアの店やサチエの自宅、これまた北欧デザインの食器、甘すぎない清潔な花柄の服・エプロンなどが、ファンタジーっぽくも感じられる。でも、そんなの現実にあるわけないよ、とひねくれた気持ちになるよりも、そういうことがあったらいいなあ、という感じかな。ミドリ(片桐はいり)やマサコ(もたいまさこ)が言うように、日本人にとって、フィンランドはムーミンの国、白夜の国、「シャイだけれど優しくて、ゆったり生きている人たち」の国、つまりファンタジーの国で、そこを舞台にした「かもめ食堂」もファンタジーであることを意図はしているのだと思います。サチエのプールのシーンや、マサコのキノコや猫のエピソードのように、実際、ちょっと現実離れしたシーンもありましたし。
そう、マサコがフィンランドで初めて買った服は「marimekko」でした。

サチエがミドリに「明日地球が終わるとしたら、何したいですか?」と尋ね、まあ、予想はつくけれど、2人の答えは「おいしいものを食べたい」でした。具体的に何が、ではなくて、サチエは「とびっきり良い材料を買って、おいしいものをいっぱい作って、仲の良い友達を呼んで」といい、ミドリは「そこに私も招待してもらえますか?」という。食べるって、おいしいって、そのものの味だけではなくて、人とのつながりが大きいですよね(映画では「人につくってもらったほうがおいしい」という台詞も2回出てきます)。
同じ質問を、10年以上前に仕事関係の人と食事しながら話したとき、私の答えは「母の鶏唐揚げ」でした。私が子供の頃は、鶏の唐揚げは毎日のお惣菜というよりも、運動会や遠足などのイベントのお弁当や、誕生日に食べるものでした。マクロビオティックの食事をしている今でも、最後に食べたいものの一つに入れると思う。でも、母も年をとり、病気もしています。唐揚げは、すでに幻の味になっているのかもしれません。
そういえば、かもめ食堂のメニューにも唐揚げがあったなあ。
今だったら、他には何を食べたいと思うだろう。
かぼちゃのおいしい季節だったら、かぼちゃのスープかな。もともとかぼちゃ料理は大好きで、スープはくろうさも好きなので、今、我が家のソウルフードとするべく、毎週精進していることでもあるし。
あとは、ご飯。やっぱり。

そういえば、くろうさは4月から和食の料理教室に通うのだそうです。彼が言うには、どこに住むことになっても、材料さえあれば自分でおいしいものを作ることができる=自分に主導権がある、ということが楽しい人生のために必要だ、ということで。
by unekocan | 2006-03-22 16:27 | 映画