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舞台鑑賞と日常のおぼえがき


by unekocan

スターダンサーズバレエ団「ジゼル」2006年2月5日(日)昼公演

日時 2006年2月5日(日)14:00開演
場所 五反田ゆうぽうと
席 1F9列37番

ど真ん中の席だったのに、前の人の頭が・・・背が高い人だから彼女が悪いわけじゃないんですが・・・おかげで1幕は舞台の真ん中で展開したものはほとんど見えていない~2幕から席を替わってくれた友達、ありがとう、ごめんね。

スターダンサーズバレエ団にはクラシックの演目は本当に少なくて、ピーター・ライト版の「ジゼル」「くるみ割り人形」「コッペリア」は特別に上演するようです。「ジゼル」ではゲストプリンシパルしか観たことがありません。以前2回は吉田都さん、今回はバーミンガム・ロイヤルの佐久間奈緒さんでした。佐久間さんは昨年「コッペリア」でスワニルダ役でも踊っていらっしゃいました(私達が観た日ではない)。アルブレヒトは元N.C.バレエのロバート・チューズリーさん。別にこの人のファンではないのに、なぜか、代役などもあって3回目です。
今回のヒラリオンは新村さん。昨年「ドラゴンクエスト」の黒の騎士でした。格好よすぎ、のヒラリオン。でも、いいんです。キャラクターとしてヒラリオンは好きなので。
「ジゼル」は大好きな演目で、他の版も見ているのですが、ピーター・ライト版が私は一番落ち着きます。最初に見た版だから、ということもあるかもしれませんが、もっとも演劇的と言われているんです。それは、物語の冒頭に、ジゼルの母ベルタと森番のヒラリオンが親しくしている様子があったり(ベルタはヒラリオンを気に入っていておそらくジゼルと結婚させたいと考えているのでしょう)、バチルド姫がジゼルの家に入っていくときに女官がちゃんと付き従っていたり、というところに現れています。
ラストで夜が開けて、ウィリーたちが消えた後、ジゼルとアルブレヒトが一度だけしっかりと抱擁する、というシーンがありました。2幕でウィリーとなっているジゼルには実体がないので、それまでは踊りとして手をとったりリフトしたりしていても、アルブレヒトとジゼルは本当には触れ合っていない、という表現になっているのです。ジゼル自身も、アルブレヒトへの強い思いだけが純化されていて生きているときのジゼルとは別の存在になっている、と私は感じています。
でも、この時は一瞬、ジゼルが生き返ったように、二人は確かにお互いの体の重さを感じていたと思います。
その直後、ジゼルは消えてしまう。
泣きました。

今回の舞台では、サー・ピーター・ライト自身が開場に来ていて、カーテンコールにも出てきました。
それで、だったのか、3回見た中で一番よい舞台だったと思います。
by unekocan | 2006-02-10 15:54 | ダンス