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舞台鑑賞と日常のおぼえがき


by unekocan

「チャーリーとチョコレート工場」@試写会

再びwomen's exciteの試写会です。
「クレールの刺繍」と同じく、CMは結婚紹介サイトでした。

原作の「チョコレート工場の秘密」は昨年くらいから、昨今のファンタジーブームに合わせるように書店で目に付くようになっていますが、実はとっても古い本です。ロアルド・ダールですから。検索したら小学生・中学生時代に読んで夢中になった、というコメントがたくさんあったのですが、私自身は子供のころにこの本を見た記憶がありません。そしていまだに読んでいません。
映画を見て、「原作を先に読んでおけばよかったかな」と少し悔やまれました。
原作を知らないとストーリーが分からない、という意味ではないのです。
映画は、ティム・バートンというフィルターを通しているので、ロアルド・ダールが作った世界を直接自分が見たらどんな印象を受けるのだろうと思ったのです。




ティム・バートンの映画で全編通して見たのは「バットマン」だけで、「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」も「ビッグ・フィッシュ」も見ていません。でもその程度の断片的に知っていることから持っていたイメージどおり、とにかくグロテスクな映画でした・・・
「映画を見た!」感はしっかりあって、その点ではよくできていると思います。2時間がまったく長く感じませんでしたし。
でも私は最後には胃が気持ち悪くなってしまいました。
それで、原作についてのコメントを検索してみたのですけれど、原作にもやはり毒気・グロテスクな部分というのはあるようなんですね。でも、お菓子に対して子供がもっている夢とか、読むと幸せになるとか、というコメントも多い。
・・・私は、映画では「幸せ」にはならなかった。

夢のお菓子工場を舞台にしながら、グロテスクさが出てくることについては、こうかな、と思い当たることもあります。
お菓子を食べることに付きまとう、うしろめたさ、です。
お菓子って、みんなが大好き、チャーリーが言うように「チョコレートは理屈抜きで楽しいもの」なのですけれど、「食欲」にまっとう正直な赤ちゃんを除けば、誰もがどこかに「でも本当は食べないほうがいいんだ」という気持ちを持っていると思うんです。
映画でも、ウィリー・ウォンカの父親が歯医者だったり、チャーリーの父親は歯磨きペースト工場で働いていたり、お菓子はいつも「虫歯」のイメージと抱き合わせです。
その他にも、肥満とか、肌荒れとか、お菓子の快楽の裏にはマイナスのイメージがあります。

これでもか、というくらい毒々しかったわりに、ラストは「やっぱりアメリカ映画ってそこに落着くの?」という感じだったのですけれど。映画ではないけれど「プロデューサーズ」のラストでも思ったなあ。
by unekocan | 2005-08-30 14:32 | 映画