舞台鑑賞と日常のおぼえがき


by unekocan

吉田都さんの「オンディーヌ」

昨夜、NHKBSHiの「ハイビジョン特集~輝く女」を見ました。
英国ロイヤルバレエの吉田都さんです。今年の5月2日、バレエ「オンディーヌ」の上演に向けてリハーサル中の吉田さんを4月の半ばから約2週間程度取材したようです。
「オンディーヌ」。これから四季でも自由劇場、全国公演がありますが、バレエの演目は知りませんでした。





バレエはジロドゥの戯曲とはストーリーが異なり、水の精の口づけで人間は死んでしまう、という設定でした。海の王や他の水の妖精たちがオンディーヌと人間(ハンス、かどうかは分かりませんが、騎士の姿をしていました)の恋に反対し、引き裂こうとする場面はあります。
マルゴット・フォンテーンのために振付けられた作品で、吉田さんが演じるのは3回目ということです。今回、相手役には、プリンシパル候補の有力な若手であるエドワードを吉田さんが指名しました。エドワードは公演後、プリンシパルに昇格、でも番組中では苗字を言っていませんでした。ダンスマガジンのバックナンバーでも見ればわかるかも知れません。
一部を見ただけの感想なのですが、「オンディーヌ」という作品の音楽や振り付けの表現は、ちょっと紋切り型に感じました。第3幕、オンディーヌと人間の愛はいよいよ深まり、拒みきれなくなったオンディーヌはついに恋する男と口づけを交わす。掟どおり、人間は死んでしまう。
2010年12月14日追記
ここのストーリーは私の誤解だったようで。
オンディーヌが死んだ、と思った騎士は、元の婚約者と結婚し、
しかし、生きていたオンディーヌは、彼の裏切りに対して、死の口付けを与える、
ということらしいです。

嘆くオンディーヌ。このあたりの音楽の盛り上がり方がなんだか、いかにも、という感じで。舞台で全部通してみたらまったく違う印象なのかもしれません。でも、吉田さんの踊りは素晴らしいです。
私が吉田都さんを舞台で見たのは2003年、2004年の「ジゼル」スターダンサーズバレエ団公演だけです。でも、私が「ジゼル」という作品にはまって、繰り返し見ているのは最初に吉田さんのジゼルを見たからだと思います。昨日の番組でも、「日本人のバレエダンサーは技術はあるけれど、感情表現ができていないといわれる、でも都の『ジゼル』を見てそれが間違っているとわかった」というコメントがありました。吉田さんが踊る「ジゼル」はピーター・ライト版。サー・ピーター・ライトは、ローザンヌでスカラシップを取って渡英した吉田さんを主役ダンサーに育てた人です。
おとといの宮沢りえさんの回を見ていて、途中でなんだか変な感じがしたのですが、この番組、BGMもナレーションもないんです。ひたすら、フィルムが回り、ときどき質問に答える本人のコメントが入るのみ。変に盛り上げようとしない淡々とした雰囲気は最初集中するのが大変だったのですが〈普段、以下にテレビのペースに受身になっているかということですね)、なれると心地よいです。
年齢を言うのは失礼かも知れませんが、吉田さんは今年40歳になります。英国ロイヤルバレエでプリンシパルとなって10年。背中への負担が大きいという理由で、オーロラ姫とオデット・オディールはもう踊らないと決めたそうです。
でも、吉田さんはこう言います。
-人間の体は鍛えれば鍛えるほど強くなり、若いときよりも使えるようになった部分もある。それに体力に任せて踊っていた若い頃に戻りたいとは思わない。あの頃のような踊り方をしたいとは思わない。
-(「オンディーヌ」を踊った)マルゴット・フォンテーンの映像の中には、ダンサーとしてはかなり年をとっているものもあるのだけれど、その彼女の踊りと存在感は、だんだんそういう年齢に差し掛かっていく自分にはとても勉強になる。

吉田さんのトゥシューズを作っている職人さん、子犬にMIYAKOと名づけたという先生、ロイヤルの前に所属していたバレエ団の先輩。吉田さんが周りの人たちにとても愛されていることが分かりました。

番組の主旨とは別に、ロンドンの町がたくさん見られて、それも楽しかった。やっぱり行きたいなあ、ロンドン。
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by unekocan | 2005-06-01 14:00 | ダンス